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Hiro×府城男児

平成28年9月から始める大阪での留学生活を記録し、台湾での出来ことを語る。

壱、混沌出世 大鳳慈悲 / 壱章の始まり

壱章は「神に選ばれた人の殺された物語」と書こうと思います。

副タイトルは「誤ったこの世界と戦い続ける」です。

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序章の続き

朝の太山(たいざん)は、
雲に呑まれ、
日が差さないために、
霧が濃く、
水気が漂い、
真っ白くなっている。
山頂は、
妙に静かな様子である。

 

静かなところに、
ぴゅーぴゅーと、
空気が鋭く裂かれた音がした。
音の元を辿っていくと、

銀色の閃光が目に入る。

それが、

一人の少年が剣を舞う様子である。

 

少年の顔は閃光に囲まれ、

よく見えないが、

その剣はおおよそ三尺以上の長剣であり、
銀色の刀身に、
寒光を放っている。

 

少年の舞う剣は、

もっと速くなった。

鋭い波動は

風に挟まれ、

ひらりひらり、

木の葉が散らされている。

 

剣風とともに舞い散る葉と塵。

少年の周囲に、

時に銀光、

時に土に呑まれ、

ごろごろ、

石ころは風圧に晒される。

 

ふと、

銀光が輝き、

舞う葉と塵は竜巻となり、

天の彼方へ飛び去った。

少年は六十四式の太極剣法(たいきょくけんぽう)を演じ切った。

 

「平(へい)、随分と成長したな。」

と、一人の老人が笑い、語った。

「師匠の足元にも及びません。」

と、少年が老人に頭を下げ、返事をした。

 

つづく