Hiro×府城男児

平成28年9月から始める大阪での留学生活を記録し、台湾での出来ことを語る。

零、四象和合 仙人降臨 / 序章前編

深夜、畑からある声が響いた。
それはおっとりとした声。
響くと、

心が快く、ほっこりとした。
それがある動物の鳴き声かどうかわからん。
ただ、
その声を聴くのは、生まれて初めての快感となった。

村長によると、それが麒麟の鳴き声らしかった。
村長は六十代の年寄り、村の人々に尊ばれておる。
記載に、この村には千年以上、二度と麒麟の姿が現れたことはないそうだ。

そして、
今までと違う風が吹いていて、何故か妙に強かった。
木の葉ががさがさとして、騒がしい。
なのに、
この風に触れると、
心が直ちに落ち着き、頭が冴えるようになった。

ゆっくりと天を仰ぐ。
なんと、
一羽の鳳が空を飛んでいた。

道が騒がしくなった。
それが、村人たちの叫び声があたりに響いていたのである。
仕事中の人は手元の仕事を置き、睡眠中の人が睡眠を破り、集まる通りに向かった。
ただ、この奇妙な様子を見るためである。

ところで、
ある小部屋で、一人の妊婦が赤ん坊を生む寸前である。

突然。
東の森から、光が閃いた。
青く、強く。
一人の老人が目を顰め、瞑った。
何故なら、その光に映られた目が、少し痛めが感じる。
光が消えた後。
あっと言う間に、一匹の竜の影が天の彼方へ消えてゆく。
それが煙か何なのか、誰もが判らん。

村人の騒ぎが更に騒々しくなってきた。
しかし、
この時、
ある赤ん坊の泣き声がこの騒音を凌ぎ、村中に響き渡った。

漸く村人が静まり、次々と声の源へ。
その先は、村の真ん中にある村長の屋敷、生まれたのは村長の孫である。

 

つづく

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masaさん、ujaraさん、

ありがとうございました。

http://lang-8.com/kakukangen/journals/120540271912311169619676495142636653516