Hiro×府城男児

平成28年9月から始める大阪での留学生活を記録し、台湾での出来ことを語る。

零、四象和合 仙人降臨 / 序章後編

「老師はどなたじゃな、わしには見覚えがありません。」
「貧道(ひんどう)はあの山から来た。お孫さんに贈り物がござる。」
と、その老人が遠い山を杖で指した。

村長が、
その杖の先を沿い、
窓から眺め、
月の光に照らされ、
星の下にある山の影は、
高く、険しく見える。

すると、
村長の顔が不思議な表情になった。
「まさか、
老師は太山(たいざん)の
「雲上行(うんじょうこう)」酔月道人(すいげつどうにん)なのかね。
わしは目が利かぬのじゃ。」
(莫非道長可是居於太山上的「雲上行」醉月道人,老夫可真是有眼無珠。)
「貧道のことでござる。虚栄心から名乗るに及びませぬ。」
(正是貧道,虛名不足掛齒。)

酔月道人と言えば、
まずは、
太山から説す。
太山という山は、
宇宙万物が混沌してる状態で、
初めて現れた巨人のハンコの、
死骸の頭で形成されたものである。
千万年の月日を経て、
太山は天地の霊気を吸う。
従い、
修道する人は、
徐々に太山に集まっておる。

酔月道人は二十歳のころ、
この塵俗に飽き、
両親の葬式をきちんと果たすと、
一人で太山にて修道を始めていた。

「この子はシユウの生まれ変わり、
この世に痛みを与えようとし、
再び、
この世に転生した。
ゆえに、
貧道は全身全霊を尽くしても、
惨劇を防ぐべきでござる。」
と、酔月道人は目を顰め、額に皺ができた。

すると、
酔月道人は袖の中から、
一つのものを出した。
「これは貧道が十数年の月日を経て、
太山の精気を注いでいたものでござる。
いざとなれば、
この子の運命を変えるかもしれん。」
と、酔月道人は不安な口調で話した。

いったいこれはどんなものですか。

壱章につづく

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Judaさん、
ありがとうございました。
http://lang-8.com/kakukangen/journals/193474792427372748096553565947518111440