Hiro×府城男児

平成28年9月から始める大阪での留学生活を記録し、台湾での出来ことを語る。

零、四象和合 仙人降臨 / 序章中編

村人がついた時、
その小部屋の内には、
妙な香りが漂っていた。

それが、
白檀の匂いなのか、
或いは、
蘭の香りなのか判らない。
ただ一つ判ることがある。
それが嗅いだことのない、
匂いなのである

「村長様、元気な赤ん坊ですね。おめでとうございます。」
と、召し使いの女の子が言った。
「よく見ると、村長とよく似ていますね。」
「そうですね。きっと立派な男になりますよ。」
と、まわりの村人がまた騒がしくなった。

村長は周りを構わずに、
召し使いから、
孫を渡され、
慎重に抱き、
赤ん坊の顔を、
じっと見ている。

目も、耳も、鼻も、口も、
すべては整っていて、
眉毛が厚く、
目が大きい。
それに、
手も、足も、
力強く足掻いている

しばらくの間、
村人も、召し使いも、娘でさえ、
目に入っていない。
ただただ口を閉めることすらできないほど笑っている。

「玉(ぎょく)、わが凡家(ぼんけ)の子が堅実に暮らすように、わしが凡步平(ぼんほへい)と名付ける。どうだい。」
と、娘の名を呼び、村長が言った。

玉は微笑み、

一言も出なく、

ただ寝台で赤ん坊を見つめている。

突然、
「いい名前じゃ」
と、門から一人の老人が入ってきた。

その老人は髪も髭も真っ白く、
木の杖を右手に持ち、
身には緩く、素朴な道袍を着ていた。

 

つづく

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Judaさん、
ありがとうございました。

http://lang-8.com/kakukangen/journals/58409416776298966220542693064303953840

零、四象和合 仙人降臨 / 序章前編

深夜、畑からある声が響いた。
それはおっとりとした声。
響くと、

心が快く、ほっこりとした。
それがある動物の鳴き声かどうかわからん。
ただ、
その声を聴くのは、生まれて初めての快感となった。

村長によると、それが麒麟の鳴き声らしかった。
村長は六十代の年寄り、村の人々に尊ばれておる。
記載に、この村には千年以上、二度と麒麟の姿が現れたことはないそうだ。

そして、
今までと違う風が吹いていて、何故か妙に強かった。
木の葉ががさがさとして、騒がしい。
なのに、
この風に触れると、
心が直ちに落ち着き、頭が冴えるようになった。

ゆっくりと天を仰ぐ。
なんと、
一羽の鳳が空を飛んでいた。

道が騒がしくなった。
それが、村人たちの叫び声があたりに響いていたのである。
仕事中の人は手元の仕事を置き、睡眠中の人が睡眠を破り、集まる通りに向かった。
ただ、この奇妙な様子を見るためである。

ところで、
ある小部屋で、一人の妊婦が赤ん坊を生む寸前である。

突然。
東の森から、光が閃いた。
青く、強く。
一人の老人が目を顰め、瞑った。
何故なら、その光に映られた目が、少し痛めが感じる。
光が消えた後。
あっと言う間に、一匹の竜の影が天の彼方へ消えてゆく。
それが煙か何なのか、誰もが判らん。

村人の騒ぎが更に騒々しくなってきた。
しかし、
この時、
ある赤ん坊の泣き声がこの騒音を凌ぎ、村中に響き渡った。

漸く村人が静まり、次々と声の源へ。
その先は、村の真ん中にある村長の屋敷、生まれたのは村長の孫である。

 

つづく

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masaさん、ujaraさん、

ありがとうございました。

http://lang-8.com/kakukangen/journals/120540271912311169619676495142636653516

台湾人の僕が「一つの中国」に関する思い

最初に言うが、
台湾人として生まれたのは、
誇り高いことだと思う。

我々の先祖は「閩南裔台灣人」*1 と呼ばれ、
先祖たちは、
17世紀以降、
中国の福建省から
台湾に大量移住し、
原住民*2 と通婚した。
故に、
今の台湾人がいる。

我々台湾人は、
紛れもなく、
漢人の血統を受け継ぎ、
昔ながらの高貴な中華文化を継承した。

そして、
日本統治時代、
日本の文化の影響を受け、
融合した。

今の台湾人は、
日本語ができなくても、
日常会話では、
日本語の単語*3 を、
よく使っている。

僕は、
多彩な文化を持つ台湾人が好きだ。

だが、
1945年、
国民党が来た。
我々台湾人は、
中国語しか話せなくなった。
台湾語を使うと、
必ず、
方言札を掛けられるようになってしまった。

また、
国民党が台湾にあるせいで、
中国共産党は国民党を潰すため、
台湾に圧力をかけている。

僕は、
中華民国が自分の国だとは認めない。
共産党による中国は、
なおさら、
認めるわけにはいかない。

僕が望んでいるのは、
70年前、
日本によって統治していた台湾。
或いは、
国民党に干渉されずに、
台湾人民が、
自分の手で作る「台湾国」である。

だから、
今の僕は、
自分の国がないさまよい人だ。

このさまよい人は、
「一つの中国」について、
何のコメントもしない。

何故なら、
これは共産党と国民党の争いだからだ。
台湾人の僕には関係のない話である。

*1 https://zh.wikipedia.org/wiki/閩南裔台灣人
*2 https://ja.wikipedia.org/wiki/台湾原住民
*3 https://ja.wikipedia.org/wiki/台湾語#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E8.AA.9E.E7.94.B1.E6.9D.A5.E3.81.AE.E8.AA.9E.E5.BD.99

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dekkaHommaさん、奇天烈さん、
ありがとうございました。

http://lang-8.com/kakukangen/journals/14997823683196842586841109493099432908